蛇口のプロに聞く浄水器と取り付けの注意点
今回は、国内大手水栓メーカーの技術担当者Bさんに、浄水器の取り付けに関する注意点や、取り付けが難しい蛇口について、専門家の視点からお話を伺いました。「最近は、浄水器をご利用になる方が本当に増えましたね。特に蛇口直結型の手軽さは魅力ですが、取り付けに関してはいくつか注意していただきたい点があります」とBさんは言います。まず、Bさんが強調するのは「蛇口先端の形状確認」の重要性です。「私たちが設計する蛇口も、デザイン性を追求したものや、特殊な機能を持たせたものなど、多様化しています。そのため、すべての蛇口が市販の浄水器に対応しているわけではありません。特に、先端が円形でないデザイン水栓や、泡沫金具が内蔵されていて外から見えないタイプ、シャワー機能と一体になった吐水口などは、後付けの浄水器の取り付けが物理的に難しい、あるいは不可能な場合が多いです。購入前に、ご自宅の蛇口の取扱説明書をご確認いただくか、メーカーのウェブサイトで浄水器の適合情報を確認することが不可欠です」。次に、Bさんは「無理な取り付けの危険性」について警鐘を鳴らします。「サイズが合わないアタッチメントを無理やりねじ込んだり、テープなどで固定したりするのは絶対にやめてください。蛇口本体のネジ山を潰してしまったり、接続部から水漏れを起こしたりする原因になります。最悪の場合、蛇口が破損し、水が噴き出すといった大きなトラブルにつながる可能性もあります」。また、浄水器を取り付けたことによる蛇口本体への負荷も考慮すべき点だと言います。「蛇口直結型の浄水器は、ある程度の重量があります。特に、スパウト(蛇口の首部分)が細いタイプや、壁付きタイプの場合、浄水器の重みで蛇口の根元に負荷がかかり、ぐらつきや水漏れの原因になることも考えられます」。最後に、Bさんは「もし取り付けに不安がある場合や、どうしても浄水器を使いたいけれど蛇口が対応していない場合は、水栓自体の交換も有効な選択肢です。最近では、浄水カートリッジを内蔵したタイプの水栓も多くありますので、リフォームなどの機会に合わせて検討されるのも良いでしょう。いずれにしても、安全に快適にお使いいただくために、事前の確認と、無理のない取り付けを心がけていただきたいですね」と締めくくりました。