毎日使うトイレですが、そのタンクにも寿命があります。長年使用していると、内部部品の劣化やタンク自体の老朽化が進み、水漏れや故障のリスクが高まります。一般的に、トイレタンク(および便器)の寿命は、陶器製であれば比較的長いですが、内部の部品は約10年程度で劣化が進むと言われています。そのため、設置から10年以上経過しているトイレタンクは、交換を検討する一つの目安時期と言えるでしょう。交換を考えるべき具体的なサインとしては、タンク内部品(ボールタップ、フロートバルブなど)の度重なる故障や、修理しても水漏れが頻繁に起こる場合、タンク本体にひび割れが見られる場合などが挙げられます。また、旧式のトイレは洗浄水量が多く、最新の節水型トイレと比較すると水道代が高くなりがちです。節水を目的として、最新のトイレに交換するという選択肢もあります。トイレタンクの交換は、通常、便器とセットで行うのが一般的です。タンクだけを交換することも理論上は可能ですが、同じメーカーの同じシリーズの後継品でないと適合しない場合が多く、また、タンクだけ新しくしても便器が古いままでは、接続部分からの水漏れリスクや、見た目のアンバランスさが残るため、あまり推奨されません。トイレ一式(便器+タンク)の交換費用は、選ぶトイレのグレードや機能、そして工事費によって大きく異なりますが、一般的な相場としては、10万円から25万円程度が目安となります。シンプルな機能の組み合わせ便器であれば比較的安価に抑えられますが、タンクレストイレや、高機能な一体型トイレを選ぶと費用は高くなります。工事費には、古いトイレの撤去・処分費、新しいトイレの設置費、給排水管の接続費などが含まれます。内装(壁紙や床材)も同時にリフォームする場合は、さらに費用が加算されます。トイレタンク(便器)の交換は、決して安い買い物ではありません。しかし、水漏れのリスクを抱えたまま使い続けるよりも、思い切って交換することで、長期的な安心感や節水効果、そして快適なトイレ空間を手に入れることができます。複数の業者から見積もりを取り、費用と機能、デザインなどを比較検討して、納得のいくリフォーム計画を立てましょう。