あれは忘れもしない、平日の深夜2時のことでした。寝静まった家の中に、どこからか微かに「ちょろちょろ…」と水の流れる音が聞こえるのです。最初は気のせいかと思いましたが、音は止む気配がありません。気になってトイレに行ってみると、便器の中に水が細く流れ続けているではありませんか。タンクの蓋を開けてみると、案の定、水がいっぱいになっているのに給水が止まっていません。ボールタップの浮き球が引っかかっている様子もなく、どうやら部品自体が故障してしまったようです。深夜なので業者を呼ぶのもためらわれ、かといってこのまま放置すれば水道代が大変なことになります。とりあえず、止水栓を閉めて水の供給を止め、その日は眠りにつきました。翌朝、早速ホームセンターへ走り、トイレの型番に合うボールタップを購入。以前、自分で蛇口のパッキン交換をした経験があったので、「ボールタップ交換もなんとかなるだろう」と高を括っていました。しかし、作業を始めてみると、タンク内の狭いスペースでの作業は思った以上に大変でした。特に古いボールタップを取り外す際のナットが固く、専用のレンチがあればもっと楽だったのかもしれません。なんとか取り付けを終え、止水栓を開けてみると…見事に水漏れ発生。接続部分の締め付けが甘かったようです。再度締め直し、今度こそ大丈夫かと思いきや、次は水位調整がうまくいきません。何度調整しても水が止まる位置が高すぎたり低すぎたり。結局、午前中いっぱいかかって、ようやく正常に作動するようになりました。DIYでの交換は確かに費用を節約できましたが、時間と労力、そして精神的な疲労は予想以上でした。次回もし同じようなことが起きたら、素直にプロにお願いしようかな、と少しだけ思った出来事でした。水回りのトラブルは本当に気が休まりません。