タイル張りで冬場は特に寒さが厳しかった我が家の在来工法の浴室。長年の夢だったユニットバスへのリフォームをついに決行しました。このタイプの浴室リフォームは、既存のユニットバスを交換する場合と比較して、費用が高くなる傾向があると言われています。その理由と、実際の費用について、技術的な観点も交えながら考察してみたいと思います。まず、在来工法の浴室は、床や壁がコンクリートやモルタルで造られていることが多く、その解体作業に手間と時間がかかります。解体時に発生する廃材の量も多くなり、撤去費用も嵩みます。解体後、壁や床下の状態を確認すると、予想外の問題が見つかることも少なくありません。例えば、土台の木材が腐食していたり、シロアリの被害があったり、断熱材が入っていなかったりといったケースです。これらの補修や補強、断熱工事が必要になると、当然ながら追加の費用が発生します。我が家の場合も、解体後に土台の一部に腐食が見つかり、補強工事が必要となりました。また、ユニットバスを設置するためには、床面のコンクリート打設や、給排水管、電気配線の位置変更、換気ダクトの新設など、ユニットバス交換よりも多くの基礎工事が必要となります。これらの工事は専門的な技術を要し、工事費を押し上げる要因となります。選んだユニットバスのグレードにもよりますが、我が家では中級グレードの製品を選び、最終的な総費用は約百四十万円となりました。内訳を見ると、ユニットバス本体の価格よりも、解体、基礎工事、補修工事などの工事費用の方が大きな割合を占めていました。在来工法からユニットバスへのリフォームは、単に設備を新しくするだけでなく、浴室空間全体の構造を見直す大掛かりな工事になることが多いです。そのため、費用は高めになる傾向がありますが、断熱性や清掃性が格段に向上し、快適性と安全性は大きく改善されるというメリットがあります。事前の調査としっかりとした見積もりが重要です。