トイレタンク水位調節で節水効果も
トイレのタンク内の水位は、一度の洗浄で流れる水の量を決める重要な要素です。この水位が適切でないと、洗浄力が不足したり、逆に必要以上に水を使いすぎてしまったりすることがあります。実は、多くのトイレタンクでは、この水位を自分で調整することが可能です。適切な水位に調整することで、節水効果を高めたり、洗浄不良を改善したりできる場合があります。まず、タンク内の標準的な水位を確認しましょう。タンクの蓋を開けて中を見ると、オーバーフロー管に「WL」や「標準水位線」といった印が付いていることが多いです。通常、水面がこの印の2〜3センチメートル下にある状態が適正とされています。水位がこれよりも大幅に低い場合は、洗浄力が不足する可能性があり、逆に高すぎる場合は、無駄な水を使っている可能性があります。水位を調整する役割を担っているのが「ボールタップ」という部品です。ボールタップにはいくつかのタイプがありますが、一般的な調整方法としては、浮き球(または浮き子)の位置を調整する方法や、水位調節リングやネジを操作する方法があります。浮き球が付いているタイプの場合、浮き球を支えるアームの角度を変えることで水位を調整できます。アームを下に曲げると水位が下がり、上に曲げると水位が上がります。ただし、無理に曲げると破損する可能性があるので注意が必要です。最近のトイレでは、ボールタップ本体に水位調節リングやネジが付いているタイプが多く見られます。リングを回したり、ドライバーでネジを回したりすることで、簡単に水位を調整できます。右に回すと水位が下がり、左に回すと上がることが多いですが、機種によって異なるため、取扱説明書を確認するのが確実です。水位を調整する際は、必ず止水栓を閉めてから作業を行い、調整後はレバーで水を流し、新しい水が溜まった状態で水位を確認します。一度で適切な水位にならない場合は、少しずつ調整を繰り返しましょう。ただし、水位を下げすぎると洗浄力が不足し、詰まりの原因になる可能性もあるため、標準水位から大きく逸脱しない範囲で調整することが大切です。自信がない場合や、調整しても改善しない場合は、専門業者に相談しましょう。