液晶画面に、普段は見慣れない「数字」や「アルファベット」が点滅していたら、給湯器が、何らかの異常を検知し、あなたに助けを求めている、重要なサインです。この「エラーコード」は、一見すると、ただの無機質な数字の羅列に見えるかもしれません。しかし、その一つ一つには、給湯器の内部で、今、何が起きているのかを示す、具体的な意味が込められているのです。このエラーコードの意味を正しく理解することは、パニックにならず、冷静に、そして安全に、初期対応を行うための、非常に有効な手がかりとなります。エラーコードが表示された時に、まず、あなたがすべきこと。それは、その表示されている数字やアルファベットを、正確にメモするか、スマートフォンなどで写真を撮っておくことです。そして、次に、手元にある「給湯器の取扱説明書」を開いてみてください。説明書の巻末近くには、必ず、エラーコードの一覧と、それぞれのコードが示す「エラーの内容」、そして「対処法」が、詳しく記載されています。例えば、よく表示されるエラーコードとして、「111」や「11」といった「1」から始まる数字は、「点火不良」を示していることが多いです。これは、ガスが供給されていない、あるいは、点火装置に何らかの不具合が生じていることを意味します。この場合の対処法としては、まず、家のガスメーターの元栓が閉まっていないか、あるいは、大雨などで、給湯器の内部が濡れてしまい、一時的に点火しにくくなっていないか、などを確認します。「140」や「14」といった「14」を含む数字は、「温度ヒューズの作動」や「過熱防止装置の作動」を示します。これは、給湯器の内部が、異常に高温になったことを検知し、安全のために、運転を強制的に停止させた状態です。この場合は、給湯器の排気口が、ゴミや、鳥の巣などで、塞がれていないかなどを確認する必要があります。このように、エラーコードの内容を確認することで、その不具合が、自分でリセットすれば直る可能性のある、一時的なものなのか、それとも、専門家による点検や修理が、絶対に必要となる、深刻なものなのかを、ある程度、切り分けることができるのです。もし、取扱説明書に記載された対処法を試しても、エラーが解消されない場合や、そもそもエラーの内容が「部品の故障」や「基盤の異常」を示している場合は、もはや個人で対処できるレベルを超えています。