普段目にすることのない水道管ですが、その内部では気づかないうちに錆や劣化が進行していることがあります。特に古い建物で使用されている金属製の水道管は、長年の使用によって内部が腐食し、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。この見えない敵である錆や劣化にどう立ち向かえば良いのでしょうか。まず、水道管の錆が進行すると、赤水や濁り水が発生するようになります。これは、水道管の内壁から剥がれた鉄錆が水に混じり込むために起こる現象です。見た目が不快なだけでなく、洗濯物が黄ばんだり、金属臭がしたりすることもあります。さらに、錆は進行すると管の内壁に凹凸を作り、そこにスケール(水垢)が付着しやすくなります。このスケールが蓄積すると、水道管の内径が徐々に狭くなり、水の出が悪くなるという問題が発生します。シャワーの勢いが弱くなったり、お湯の出が悪くなったりといった症状が現れたら、水道管内部の詰まりを疑う必要があります。そして、最も深刻なのが、錆や劣化によって水道管に穴が開いたり、亀裂が入ったりして水漏れが発生することです。壁の中や床下など、見えない場所で水漏れが起こると、発見が遅れて建物自体に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。これらの錆や劣化への対策としては、まず定期的な点検が重要です。築年数が古い住宅では、専門業者に水道管の内部調査を依頼し、現状を把握することをお勧めします。ファイバースコープなどを使って管内の状態を確認してもらうことができます。もし、錆や劣化が進行している場合は、水道管の交換工事が必要になります。最近では、錆びにくい樹脂製の管(ポリエチレン管やポリブデン管など)や、ステンレス管などが主流となっており、これらに交換することで、将来的な錆のリスクを大幅に低減できます。また、日常的にできる対策としては、長期間家を空ける際には元栓を閉める、極端な水圧変動を避けるといったことも、水道管への負担を軽減するのに役立ちます。水道管の錆や劣化は、放置しておくと大きなトラブルに繋がりかねません。早期発見・早期対策を心がけ、安全で快適な水環境を維持しましょう。
見えない敵!水道管の錆と劣化対策