私は長年配管工として現場の最前線で働いてきましたがこの仕事は単にパイプを繋ぐだけの作業ではなく建物の血管を作り上げるという非常に責任重大で奥深いものだと日々感じています。新築工事の現場では何もない空間に図面を基にして正確に配管を通していくのですが他の設備や構造物との干渉を避けながらいかに効率的かつ美しく配管を配置するかというパズルのような難しさがあります。特にコンクリートの中に埋め込まれる配管は一度施工したら修正がきかないためコンクリート打設の日は極度の緊張感に包まれますしミリ単位の精度が求められる世界でもあります。一方でリフォームや修理の現場では予期せぬトラブルの連続であり壁を開けてみたら想像以上に配管が腐食していたり図面にはない謎の配管が出てきたりすることは日常茶飯事です。そんな時は経験と勘を頼りにその場で最適な解決策を導き出さなければならずマニュアル通りにはいかない現場対応力が試されます。床下に潜り込んで暗くて狭い空間で泥まみれになりながら作業をすることもあり夏はサウナのような暑さに耐え冬は凍えるような寒さと戦わなければならない過酷な環境ですが水が通って蛇口から勢いよく水が出た瞬間のお客様の安心した顔を見ると全ての苦労が報われるような達成感を味わうことができます。私たちが施工した配管は普段は誰の目にも触れることはありませんが人々の生活を支えるインフラとして二十四時間三百六十五日稼働し続けています。だからこそ見えない部分だからといって手抜きは絶対に許されませんし一本のネジの締め忘れが大事故に繋がるという危機感を常に持って作業に臨んでいます。技術の進歩とともに新しい材料や工法が次々と登場していますが基本となるのは確実な施工とお客様への誠意であり職人としてのプライドを持って一つ一つの現場に向き合うことが私の仕事の流儀です。配管工という仕事は決して派手ではありませんが社会になくてはならない縁の下の力持ちであるという誇りを胸に今日も私は工具を手に現場へと向かいます。