キッチンの床下から水が漏れているのを発見した時、その予期せぬ事態に、誰もがパニックに陥ってしまうかもしれません。しかし、そんな緊急事態こそ、冷静に、そして迅速に、正しい「初期対応」を行うことが、被害の拡大を最小限に食い止め、二次災害を防ぐための、最も重要な行動となります。ここでは、水漏れ発見直後に、あなたが真っ先にやるべき、三つのステップを解説します。まず、第一のステップは、これ以上の水の供給を断つための「止水」です。水漏れの原因が給水管である場合、水を止めない限り、被害は刻一刻と拡大していきます。すぐに、家の屋外にある水道メーターボックスを開け、家全体の水の供給を止める「水道の元栓（止水栓）」を、時計回りに、固く閉めてください。これにより、とりあえず水の供給は止まり、落ち着いて次の行動に移るための、時間的な余裕が生まれます。第二のステップは、「安全の確保」です。水と電気は、非常に危険な組み合わせです。水漏れ現場の近くにコンセントがある場合や、床下の配線が水に浸かっている可能性がある場合は、感電の危険性があります。安全のため、家の分電盤（ブレーカー）の、水漏れしているエリアに対応する回路のスイッチを切っておきましょう。そして、第三のステップが、「専門業者への連絡」です。水道の元栓を閉めたら、すぐに、信頼できる水道修理業者に連絡し、状況を説明してください。この時、パニックにならず、「いつから」「どこで」「どのような状況か」を、できるだけ具体的に伝えることが、スムーズな対応に繋がります。もし、あなたが賃貸物件にお住まいの場合は、修理業者に連絡する前に、必ず「管理会社」や「大家さん」に、第一報を入れるのが鉄則です。勝手に修理を手配すると、費用負担に関するトラブルに発展する可能性があります。この、「水を止める」「安全を確保する」「連絡する」という、三つの初期対応を、冷静に、そして迅速に行うことができれば、被害を最小限に抑え、問題解決への、確実な一歩を踏み出すことができるのです。