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熱湯で排水管が破損!ある家庭の事例研究
田中さん(仮名)一家は、築15年ほどの戸建て住宅に住んでいます。ある日、洗面所の水の流れが非常に悪くなっていることに気づきました。最初は気のせいかと思いましたが、数日経つと、顔を洗った水がなかなか引かず、洗面ボウルに溜まってしまうように。奥様がインターネットで対処法を調べたところ、「熱湯を流すと油汚れが溶けて効果的」という情報を見つけました。そこで、早速やかんでお湯を沸かし、沸騰した熱湯を洗面所の排水口に注ぎ込みました。しかし、一度では効果がなく、立て続けに2〜3回、熱湯を流し入れたそうです。その時は、少しだけ水の流れが良くなったような気がしたため、しばらく様子を見ることにしました。ところが、数日後、洗面所の下の収納スペース(キャビネットの中)が濡れていることに気づきました。最初は、何かこぼしたのかと思いましたが、よく調べてみると、どうやら排水管のあたりから水が漏れているようです。慌てた田中さん一家は、急いで地元の水道業者に連絡し、点検を依頼しました。駆けつけた業者が排水管を確認したところ、塩ビ製の排水トラップ(水を溜めて下水からの臭気を防ぐ部分)の一部に亀裂が入り、そこから水が漏れていることが判明しました。業者は田中さんに原因を尋ね、数日前に熱湯を流したことを話すと、「おそらくそれが原因でしょう」と指摘されました。沸騰した熱湯の高温により、塩ビ管が変形・劣化した結果、亀裂が生じてしまった可能性が高いとのことでした。幸い、床下への浸水など大きな被害には至っていませんでしたが、排水トラップの交換が必要となり、部品代と作業費で予想外の出費となってしまいました。田中さん一家は、「手軽な方法だと思って安易に熱湯を使ってしまったことを後悔しています。まさか排水管が壊れてしまうなんて思ってもいませんでした。これからは、自己判断せずに、まずは専門家に相談しようと思います」と語っていました。この事例は、洗面所のつまりに対して熱湯を使用することのリスクを如実に示しています。一時的なつまり解消を期待して行った行為が、結果的に排水管の破損という、より深刻な問題を引き起こし、修理費用もかかってしまいました。安易な判断が招くトラブルを避けるためにも、熱湯の使用は慎重に検討し、リスクを十分に理解しておく必要があると言えるでしょう。
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洗面所つまりを防ぐ日々の習慣と業者選び
洗面所のつまりは突然やってくるように感じますが、実は日々のちょっとした心がけで、そのリスクを大幅に減らすことができます。また、万が一詰まってしまった場合に、慌てず適切な対応ができるよう、業者に依頼するタイミングについても考えておくことが大切です。ここでは、洗面所のつまりを予防するための習慣と、業者選びのポイントについてお話しします。まず、最も効果的な予防策は、排水口に流れるゴミを物理的に減らすことです。洗面台の排水口には、専用のゴミ受けネットやフィルターを取り付けることを強くおすすめします。これにより、髪の毛や糸くず、小さな固形物などが排水管の奥へ流れていくのを防ぐことができます。ゴミ受けに溜まったゴミは、こまめに取り除き、清潔に保つことが重要です。髪の毛が長い方は、洗髪やドライヤーの際に、できるだけ髪の毛が排水口に流れないように意識するだけでも効果があります。次に、油分や石鹸カスの蓄積を防ぐことも大切です。油分の多いクリームやオイルなどを洗面所で洗い流すのは極力避けるか、ティッシュなどで拭き取ってから洗うようにしましょう。また、固形石鹸よりも液体石鹸の方が、石鹸カスとして残りにくい傾向があります。定期的に、市販のパイプクリーナーを使用したり、重曹とお湯(熱湯ではなくぬるま湯)を使って配管内を洗浄したりするのも、汚れの蓄積予防に有効です。しかし、どんなに気をつけていても、長年使用していれば汚れは溜まっていくものです。もし、水の流れが悪くなってきたと感じたら、それはつまりのサインかもしれません。ラバーカップなどを試しても改善しない場合や、ゴボゴボという異音が頻繁にするようになった場合は、無理に自分で解決しようとせず、早めに専門の水道業者に相談することを検討しましょう。特に、熱湯を試すのは前述の通りリスクが高いため、最終手段として考えるべきではありません。業者に依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、料金体系や作業内容を比較検討することが大切です。電話での対応や説明の丁寧さなども判断材料になります。また、水道局指定工事店であるかどうかも、信頼できる業者を選ぶ一つの目安となるでしょう。緊急時に慌てないためにも、事前に信頼できそうな業者をいくつかリストアップしておくのも良いかもしれません。